フロッグさんの詩です☺️
心感デッサン
心感デッサン 2019.10.25唸り空から 鳴り止まぬひずめの群れ大軍が終焉なく後から後から 叩いては流れ隠惨をやたら薄明るく戻す横殴りの鋭い傷が目まぐるしく 街を斜めに斬りその破片は わたくしの腕に細かく冷たく 刺さるのだ魂を乗せた鉄の芋虫ノソノソとあっちへこっちへと往来し 魂の塊 けふは誰しもが暗黙の了解を平律する錆びた観光の無情 見向きもされぬ一瞬の幻と化すあの絶え間ない笑い声と娯楽は錆びと共に流れにけり暗闇に光るのは 唯一望みの沈黙する四角の機械いっそう照らそうと必死だが余計虚しくポツリ淋しげだ偶然目映い 小さき花と出逢った冷やかされて照れる少女確かに眼と鼻の形が愛らしいまだ無垢な咲き誇る桜色の蜂すら 寄ってくる蜜の匂いわたくしは 10分 この眼にてその 潤し蕾をデッサンしたのだ かくも 初々しく美しい肺は 真底 変な音を立てまする心臓は 夜な夜な 身体の外に排出し 妙な動きをしわたくしは酸素の足りない魚に成ります背高ノッポの漆黒の笹藪は皆 こうべを右に向け雲の音を飲み込んで 我先にと逆らわずゆらゆら身を委ねているがわたくしは何を語り何を歌おう 雫石の降り止まぬ声か身の上の儚さか其所に 遺された心感を記するのか祖母を取り囲む古里そのものがわたくしの全世界であった同じ山林でも 異なるよふに見えることもあるのだ絵画を懐かしむが如くわたくしもまた滅んで逝くのだ…シャボン玉のよふに生まれてはまた消えて逝くのだから誰にも 気づかれずまた 静寂を共とし消え逝かん そっと息吹きの扉 塞がん…
0コメント